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ゆみの目的

「よかったね、ゆみちゃん」

森雪は、ゆみが部屋でメロディや美奈ちゃん、まりちゃん、ギズちゃんと遊んでいるのを見て言った。

「美奈ちゃんたちとは、ずっと一緒にいるの?」

森雪は、ゆみに聞いた。

「うん。一番最初にメロディがうちに来たの。3才ぐらいの頃、あたしは身体が弱かったから幼稚園にも行けず、いつも家にいるしかなくて、そんなあたしに、お父さんが、お誕生日にメロディを連れて来てくれたの」

ゆみは、森雪に答えた。

「その後にね、犬だけじゃなくて猫のお友達も欲しいって言って、保健所からまだ小さかった美奈ちゃんをもらったの。その後すぐに道で迷子かなにかで泣いていたギズちゃんに出会って、ギズちゃんも家で一緒に暮らすようになったの。で、美奈ちゃんたちが病気になった時とかに、近所の獣医さんに連れて行くようになったら、そこで仲良しになった看護師のお姉さんのお家で生まれたまりちゃんが、ゆみの家に来たの」

「そうか、それは皆、もう、ゆみちゃんの大切な家族だね」

森雪は、笑顔で言った。

バンバンバン・・

部屋の窓、表で何かすごい音がした。

「何?」

ゆみは、思わず窓の外を覗いた。犬や猫たちも音に驚いて聞き耳を立てている。

「コスモタイガーの演習でしょう」

森雪も、ゆみの後ろから窓の外を覗きながら言った。

「ほら、冥王星脇の小惑星帯、あそこの小惑星を敵機に見立てて、コスモタイガーが撃ち合っているのよ」

森雪は、ゆみに説明した。

「冥王星脇?」

「そうよ、冥王星の近くに、幾つもの小惑星が軌道に乗って流れている小惑星帯があるのよ。そこがコスモタイガーが演習するのにちょうど良いエリアになっているのよ」

「冥王星って。ヤマトはもう冥王星に着いたの?」

「うん。さっき、ゆみちゃんもワープしたでしょう」

森雪は、ゆみに言った。

「地球からワープ1回すると、ちょうど冥王星ぐらいのところまで一気に飛べるから」

「ここは冥王星なの?」

「ほら、窓の外の、あそこ。あそこに土色に雲がかかったような大きな星があるでしょう。あれが冥王星よ」

ゆみは、森雪が指差して、教えてくれた惑星をしばらく眺めていた。

「あのう、あたし行かなきゃいけないの。ごめんね、ちょっと出かけて来る」

ゆみは森雪にそう言うと、部屋を出ようとドアのところに駆けて行く。が、ゆみがドアに着くより少し前に、森雪の方が先にドアに到着し、ドアの前に立ち塞がった。

「雪さん、どいて!あたしはどうしても出かけないとならないの。早くそこをどいて」

ゆみは、森雪に叫んだ。

「ううん。どこに行く気なの?」

森雪は、ドアの前からは離れずに、ゆみに聞いた。

「雪さん、早くどきなさい!」

ゆみは、森雪の質問には一切答えずに、宇宙戦士訓練学校で卒業の時に支給されたコスモドラグーン、宇宙戦士の銃を腰のベルトに付けたホルスターから抜くと、森雪に照準を合わせた。

「何しているの?私のこと撃つ気なの?」

森雪は、ゆみが銃を構えているのに、それには全然恐れずに、ゆみに質問して来た。

「どいて!どかないと本当に撃つわよ!」

ゆみは、銃を森雪の顔面に向けながら言った。

「銃を持っている手、震えているじゃない。そんなで銃なんか撃てるわけないわよ」

森雪は、ゆみにそう言うと、自分の腕をゆみの方に伸ばして、ゆみが構えている銃を、あっという間に奪い取ってしまった。

「返して!」

ゆみは、慌てて森雪に飛びかかったが、逆に森雪に押さえつけられてしまった。

「ゆみちゃん、この銃は私が預かっておくね。生活班には銃は持っている必要ないしね」

そう言うと、森雪は、ゆみの銃をデスクの引き出しに閉まってから、引き出しの鍵をかけて閉まった。ゆみは、森雪に両手をしっかり捕まえられていた。

「お願い、お願いだから、あたしを行かせて!自由にさせて」

ゆみは、森雪に取り押さえられながら、泣いて頼んだ。

「どこへ行く気なの?」

「冥王星・・」

「冥王星?冥王星になんか行ってどうするのよ?冥王星には、何もないよ。ただの氷の惑星よ」

森雪は、ゆみに言った。

「冥王星に、あたしのお姉ちゃんがいるのよ」

「ゆみちゃんのお姉ちゃん?」

森雪は、ゆみに聞き返した。

冥王星の悲劇につづく

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