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ただいま!

「お姉ちゃん、ヤマトは地球に戻っているの?」

ゆみは、祥恵に質問した。

ゆみの怪我は、足がまだうまく動けないが、そのほかの箇所はずいぶん治ってきていて、ベッドの上で上半身を起こして過ごせるようになっていた。

「ええ、地球に戻っているところよ」

祥恵は、ゆみに答えた。

「お姉ちゃん。あたしさ、ヤマトが地球に帰ったら、もうヤマトには乗らない」

ゆみは、祥恵に言った。

「そうね。それがいいわ」

「今回だって、お姉ちゃんに会えるって思ったからヤマトに乗ったんだもん。もうお姉ちゃんに会えたんだからヤマトになんか二度と乗る必要ない」

「うん」

「だから、その代わり、お姉ちゃんも、もうあたしの前からいなくなったりしないでね」

ゆみは、祥恵に言った。

「うん。絶対にもうゆみから離れないから。ずっと一緒にいるよ」

祥恵も、ゆみに約束してくれた。

 

「俺、いったいどうしたら良いんだよ」

太助は、食堂の椅子に腰掛け、うなだれていた。

「どうした?」

坂本たちが、そんな太助に声をかけた。

「貧民なんて全くの嘘だったなんて。そんなこと大統領がやっていたなんて信じられないよ」

太助は、大統領に腹を立てていた。

「なんだか太助の気持ちわかるよ」

そんな太助の様子を見て、お蝶夫人も言った。

「私だって自分が恥ずかしかったもの。だって、医務室の前で、ゆみのこと貧民だとかデモしてた時に、大統領が会見したんだよ。貧民は嘘ですって。貧民をかばうなとかデモしてる時に、貧民は嘘ですって何よ、それ。なんだか私っていったい何をしてたんだかって思ったわよ」

「確かに、あの場のデモ行進が一気に冷めたよな、あの時」

坂本も言った。

「そんなじゃないよ!」

太助は、2人の会話を聞いて、突然叫んだ。

「お前たちが、あの場で冷めた気分になったのなんて大したことないじゃないかよ。俺なんか、俺なんかいったいこの先どうやって、ゆみちゃんと接していけば良いんだよ」

「何が、別に普通でいいじゃないの?」

「普通になんか付き合えないよ。俺はさんざん大好きだったゆみちゃんのことを貧民だとかブスだとか呼びまくってしまったんだぞ」

太助は、自分のやったことを悔やんでいた。

「別に良いんじゃないの。会いづらいならば、ゆみとは、もうこれ以上会わなくても」

「そうだよな。もともと太助のゆみへの想いって、太助の一方的なものだけなんだから。相思相愛ってわけじゃなかったんだから。このまま別れちゃえよ。失恋として受け止めてさ」

お蝶夫人の言葉に、坂本も賛同して太助にアドバイスした。

「え?ゆみちゃんだって、俺のこと多少は好いてくれてたと思うよ。訓練学校時代に学内デートだけど、よく一緒にデートしていたし」

「デート?訓練学校の頃に、お前らってデートなんかしていたっけ?」

加藤四郎が、太助に聞いた。

「いや、してないな。あの頃、太助とゆみが一緒にいたのはデートじゃなくて、お前が、太助がゆみの側にくっついていただけのことだろうが」

太助が加藤四郎に答える前に、坂本が答えた。

「そうだよな。あの頃の太助って、いま思うと完全に、ゆみのストーカー的だったものな」

加藤四郎も笑いながら、坂本の言葉に同意した。

「ひどいな、お前ら」

「いや、そういうことだからさ。太助は失恋したんだよ。太助も、もうしっかりそれ受け止めろよ」

坂本が太助に言った。

「そうだな・・」

太助は、坂本の言葉に寂しそうに頷いた。

そうこうしているうちに、ヤマトは地球に戻ってきた。

皆と再会につづく

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