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太助のおじいちゃん

「え、なにあれ?」

ゆみは、英雄の丘公園の丘の上に建っている銅像を見て、驚いてしまった。

公園の大きさからは考えられないような、とてつもない大きさの銅像が、公園の前の海、港を見下ろすような感じで建てられていたのだった。

「すごいでしょう、沖田艦長ですよ」

太助は、驚いているゆみに、自分が建てたわけでもないのに自慢そうに答えた。

ゆみは、大きな銅像の顔を正面から見上げてみた。それから、その大きな銅像の台座の脇に、たくさんの石で造られた肖像画が並べられているのに気づいた。

肖像画のひとつに近づいてみた。その肖像画の肖像は、いかつい軍服の男性だった。肖像画の下のところに、斎藤始と名前が刻まれていた。

「この人たちは、沖田艦長と一緒に宇宙戦艦ヤマトに乗っていた乗組員たちで、やはり沖田艦長のように、ヤマトでの戦いの中で亡くなった人たちなんです」

太助は、ゆみに説明した。

「ほら、ここを見て下さい」

太助は、1枚の肖像画を指さして、ゆみに見せた。そこには、髪型をスポーツ刈りにしたコスモタイガーの制服を着た男性の顔が掘られていた。

「この人の名前は・・」

「加藤三郎」

太助が、ゆみに自慢そうに、その人の名前を伝える前に、ゆみは自分で、その肖像画の下に刻まれている名前を読んだ。

「そうです、加藤三郎。どこかで聞いたことある名前じゃないですか?」

太助は、ゆみに聞いた。ゆみは、特に興味なさそうに、別の肖像画に視線を変えようとしていたので、

「この人、クラスメートの加藤四郎、あいつのお父ちゃんなんですよ」

太助は答えた。が、ゆみは加藤四郎の父親には全く興味なさそうにしていた。

「あのう!この顔じゅうヒゲ面のじいちゃんって誰か知っていますか?」

太助は、肖像画の側から離れようとしているゆみに、慌てて質問した。

「これ、俺のおじいちゃん!」

太助は、そのヒゲ面のお年寄りの肖像の横に並びながら、答えた。

「おじいちゃん?」

ゆみは、そのヒゲ面の年寄りの肖像のところにやって来て、顔をよく眺めた。

「ね、俺のおじいちゃんなんですよ」

太助が、ゆみの後ろにやって来て、おじいちゃんの肖像を指さした。

「この人が、あんたのおじいちゃんなんだ」

「ええ、頭の良さそうなじいちゃんでしょう。宇宙戦艦ヤマトの機関長やっていたんですよ。ヤマトの代表する武器の波動砲とかの操作もしていたんですよ」

太助は、自分のおじいちゃんのことを、ゆみに自慢した。

「それで、俺も明日から、おじいちゃんと同じ宇宙戦艦ヤマトの機関室勤務に配属されるんです!」

太助は、嬉しそうに言った。

「ふーん、太助よりもずっと頭が良さそうで、エンジンの調整とかも上手そう」

ゆみが、おじいちゃんの肖像を眺めながら、言った。

「え、まあ、それは、おじいちゃんはヤマトの機関長ですから、俺よりもずっとエンジンの調整は上手ですけど、ほら、俺にだって、じいちゃんの血が流れているんですから、いつかヤマトの機関長になれる素質あると思いませんか?」

太助は、ゆみに聞いた。ゆみは、それについては何も返事せずに無視していた。

「あのう、俺、ぜったいに頑張ってヤマトの機関長になりますから!いや、機関長が例え無理だったとしても、副機関長ぐらいだったらなれるんじゃないかな」

太助は、最後の方は少し自信無さそうに声が小さくなりながら答えた。

「そしたら、ゆみさんだって、宇宙戦艦ヤマトの副機関長夫人になれるチャンスがありますよ」

太助が、ゆみに言った。

「ヤマトの副機関長夫人になりたくないですか?超エリートですよ!」

太助は、ゆみに言った。

「なんで、あたしが副機関長夫人になれるの?」

「え、だから結婚すれば・・」

「だれと?」

「え、だから・・そのう、俺と結婚・・」

最後の方は、ほとんどゆみに聞こえないぐらい声が小さくなっていた。

「こっちの方に肖像が無くて、名前だけ刻まれている人たちって誰なの?」

ゆみは、肖像画の列の一番最後の方に名前だけ刻まれている人たちのところに移動していた。

「ああ、その人たちは・・」

太助は、慌てて自分もゆみの側に移動して、説明をし始めた。

冥王星の悲劇につづく

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