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「ヤマトが暗黒星雲の中で大破って・・」

古代進は、映画を見終わった後で、地球総司令官に尋ねた。

「そうなのだ。残念なお知らせなのだが、暗黒星雲の中に突入した後のヤマトは、そこから向こう、200年前の地球へと戻ることは出来なかったのだ。これが歴史なのだ」

地球総司令官は、古代進たちヤマト乗組員に説明した。

「ヤマトが戻れないって・・」

「俺たち、もうここでお終いなのか。帰りの暗黒星雲の中で、気流に巻き込まれて無くなってしまうのか」

ヤマト乗組員たちは、200年後の映画を見終わった後、呆然としていた。

「そこで、200年後の地球の総司令官から君たちに提案なのだが」

「はい」

「どうせ、このまま再び暗黒星雲の中を通って、向こう側に戻ろうとしてもヤマトは中で事故に巻き込まれて無くなってしまうのだ。私としても、ヤマトのような地球の勇敢な戦士の皆さんをみすみす無くしてしまうには忍びない」

地球総司令官は、ヤマト乗組員たちに提案をしてきてくれた。

「そこでだ、何も爆破させられてしまう暗黒星雲の中に、わざわざ突入していくこともあるまい。君たちヤマトは、ここ200年後の地球に残り、今度は、この200年後の地球で過ごしながら、200年後の地球の平和を守っていかれたらどうだろうか」

「確かに、このまま爆破される運命とわかっている暗黒星雲に突入するよりも、ここに残った方が、俺らにとって良いのかもしれないですね」

ヤマト乗組員たちは、せっかくの地球総司令官の提案を受け入れようか、どうしようか迷っていた。

「しかし、俺らが、ここに残っていては200年前の地球の人たちに、暗黒星雲は200年後の地球の世界の人たちだと知らせてあげられなくなりませんか。そうなると、200年前の地球の人々は、何も知らずにいま地球にいる暗黒星雲の宇宙人たちに脅えながら暮らすことになってしまいませんか」

「そうかもしれない。だが、君らがこれから暗黒星雲の中に突入したところで、運命は中で爆破すると示しているのだ。君らが、向こう側の世界の人々に知らせることはできない」

地球総司令官は、古代進に返答した。

「そうかもしれませんね」

「そうかもしれないけど、運命は暗黒星雲の中で爆破しちゃうからって、初めからあきらめて、ここに残るなんてことは私はしたくないな」

祥恵が言った。

「そうだよな。例え、運命がそうだとしても最後まであきらめたくはないな」

古代進も、祥恵の意見に同意した。

「ただ、200年後の地球は、暗黒星雲という大きな壁で守られているから、敵といっても滅多に攻めてきそうもないですし、ここで暮らすのも平和で良いかもしれないですね」

「確かに、それはあるな」

坂本の考えにも、同意する古代進だった。

「とりあえず本日は晩餐会にお招き頂き、ありがとうございました。こちらの地球でお世話になるかどうかは、いったんヤマトに持ち帰らせて頂き、艦長ともよく相談します」

古代進は、地球総司令官に返答した。

「ああ、そうしてくれ。ヤマトの艦長さんともよくご相談されて決断して頂ければと思う。こちら200年後の地球としては、いつでもヤマトの皆さんをお迎えする用意は出来ていますから」

「ありがとうございます」

古代進は、地球総司令官に挨拶すると、ほかのヤマト乗組員たちと共に晩餐会会場を後にした。

「さあ、いったんヤマトに戻ろう」

皆は、表に停めてある大統領専用機に戻っていった。

太助だけは、会場を後にする前に、残った食事を弁当箱に詰めてもらって、さらにテーブルの上に置いてある綺麗なベネチアングラスまで頂いていた。

「これ、ゆみちゃんへのお土産にするんだ」

太助は、頂いたグラスとお弁当箱を持ちながら思っていた。前回のヤマト旅で、ゆみちゃんのことを貧民、貧民と罵ってしまって以来、なんとなくゆみとの関係がぎこちなくなっているように感じている太助は、ゆみに対して気を使っているつもりだったのだ。

ゆみの方は、特に太助のことを怒っているわけではなかった。訓練学校を卒業してしまって、ヤマトのテストセーリングも終わって戻ってきて、特にヤマトに乗ることも無くなり、太助とも会う機会が無くなってしまっていただけのことだった。

「何を嬉しそうに持っているんだよ?」

「え、ゆみちゃんへのお土産なんです!ここで出た食事は本当に美味しかったですからね」

太助は、お蝶婦人に聞かれて嬉しそうに答えた。

「ふーん、あんたって、まだゆみのことを諦めていないんだ」

「それは当然です。地球政府がくだらない貧民制度とか作って、俺たちの仲を裂こうとしたって、そう簡単には俺らの仲は裂けませんから」

太助は、ニッコリと笑顔で答えた。

「ああ、そう。まあ、頑張って」

そんなニヤニヤしている太助のことを、冷静に見ながらお蝶婦人は言った。

太助のお手柄につづく

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