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大切な妹

「え、そうか!ゆみちゃんよ!ゆみちゃんは、このことを事前に感じ取っていたのよ。だから、ゆみちゃんはスターシャさんを迎えに行ったのよ!」

森雪が興奮して、ゆみから預かったネックレスを古代進に見せながら叫んだ。

「その、ネックレスって・・」

祥恵は、森雪が興奮して振り回しているネックレスを指さしてつぶやいた。

「あ、これね。これは私のかわいい新人の後輩のものなのよ。彼女がね、今、スターシャさんのことをイスカンダル星に迎えに行ってくれているの」

森雪は、すっかりゆみがスターシャを迎えに行ったものと思い込んでいるようだった。そのことを祥恵に話していた。

「っていうか、どうして、そのネックレスを雪さんが持っているの?」

「え、だから、私の後輩の女の子のもので・・」

「そのネックレスって、私が、むかし中学の頃に妹とお揃いで買った物なのだけど」

祥恵は、森雪に言った。

「え?」

森雪は、祥恵のことを見つめた。祥恵は、自分の着ているヤマトの制服の下から首にぶら下げているネックレスを外して、森雪に見せた。

「え、そのネックレスって私の持っているネックレスと同じじゃない」

森雪は、祥恵が差し出したネックレスを見て言った。祥恵の見せたネックレスも金色のハートの形をしたネックレスだった。

「妹と・・」

「祥ちゃんの妹って、まさか・・」

森雪は、祥恵のことを見た。祥恵は、黙って自分のネックレスのハートの部分のフタを開けると、中を森雪に見せた。

「ゆみちゃん・・」

森雪は、祥恵のネックレスのハート部分、ロケットの中身を覗きこんで、そこに貼られている写真を見てつぶやいた。それは、ゆみの笑っている顔写真だった。

「じゃ、もしかして」

森雪は、自分がゆみから預かった方のネックレスのハート部分を開けた。その中には、笑顔で笑っている祥恵の写真が貼ってあった。

「そんな、まさか・・」

森雪は、祥恵のほうを見て、ネックレスの中に貼られた顔写真と見比べた。

「ゆみちゃんの行方不明のお姉ちゃんって、祥ちゃんのことだったの?」

「そうみたいね。雪さんのかわいい新人後輩って、私の妹のゆみみたいね」

祥恵は、遊星爆弾から避難している時以来、ずっと会えずに探していた家族との再会に嬉しそうに森雪の持っていたネックレスを抱きかかえた。祥恵の目には、うっすらと嬉し泣きの涙が光っていた。

「それで、ゆみは今はどこに・・」

祥恵は、森雪に訪ねた。

「強力な衝撃波を受信しました!」

通信班の相原が突然叫んだ。そして、その衝撃波を受信したエリアを第二艦橋の大型スクリーンに映し出した。そこは、イスカンダル星の場所だった。

「相原。衝撃波とは・・」

「この規模の巨大な衝撃波だと、星がひとつ消滅するときなどに起こることが多いです」

相原は、答えた。その答えと同時に、イスカンダル星がとてつもなく大きな音とともに大爆発を起こした。

「イスカンダル星が爆発した!」

大型スクリーンを見ていた第二艦橋の面々は叫んだ。

「どういうことだ?」

「スターシャの星と運命を共にするということなのか?スターシャが自分の星の自爆スイッチでも押したということなのか」

古代進は、つぶやいた。ほかの皆は、言葉もなく画面に見入っていた。

「祥ちゃん・・」

森雪は、祥恵の側に行くと、祥恵の肩を抱き寄せた。

「あの、私の妹ってあそこに・・」

「ゆみちゃんは、訓練学校卒業時に学校から支給された自分のコスモタイガーに乗って、あそこにスターシャさんを迎えに行ったの」

森雪は、祥恵に一言だけ返事した。

「それじゃ・・」

祥恵は、森雪から聞いて何も言えないでいた。やっと出会えた、再会できると思ったゆみが、イスカンダル星の爆発に巻き込まれて・・だなんて信じたくなかった。

「祥ちゃん、ごめん。私が出撃なんて許可しなければ・・」

森雪は、祥恵に言った。森雪の目からも涙が溢れていた。

「何、勝手にゆみちゃんを殺しているんだよ!」

その声に、祥恵と森雪は第二艦橋の後ろ、入り口の方を振り向いた。そこには、太助をはじめとする坂本、お蝶婦人など訓練学校の卒業生たちが立っていた。

「ゆみちゃんは、そんなに簡単に死んだりしないよ。彼女はスターシャさんがイスカンダル星に居残るということに気づいていた。だったら、イスカンダル星が自爆することにも気づいていたはずだよ!そんなゆみちゃんが、みすみすそんな自爆するところに考えも無しに飛びこんで行くはずないじゃないですか!」

太助は、森雪と祥恵の2人に言った。

「そうだ!あいつは、ゴキブリのようにしぶといから、踏みつぶしたってそんな簡単に死んだりするわけないっすよ」

「あのブスの根性は本当しつこいんですから」

坂本たち訓練学校の同級生たちも、口々に述べていた。その言葉を受けて、

「相原!イスカンダルの爆発の、星屑の中にコスモタイガーが飛んでいる姿が、どっかに紛れ込んでいるんじゃないか?探してみろよ」

古代進は、相原に命じた。

「私も、現在コスモタイガーの姿を探索中です」

相原は、既にイスカンダル星の爆発の中からコスモタイガーの姿を探し始めていた。

スターシャお母さんにつづく

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