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妹探し

「ああ、疲れた・・」

祥恵は、膨大な量の名簿をめくりながら、自分の肩を叩いて一休みしていた。

祥恵は、宇宙戦艦ヤマトで地上の放射能をすべて除去し終わると、新宿の地下シェルターに、自分の家族を迎えに行った。

地上から地下シェルターへは、全くの混雑もなくすんなりと降りることができた。地下シェルターの住民たちは、われ先にと放射能がきれいになった地上へと上がりたがっていた。そのため、地下シェルターから地上へ上がるエレベーターは順番待ちで大混雑だった。しかし、祥恵のように地上から地下シェルターへと下るエレベーターには、人は誰もおらずガラガラだった。

「あのう、人を探しているのですが」

祥恵は、地下シェルターの役所に行くと、そこにいた職員に尋ねた。

「ああ、地上行きね。地上行きのエレベーターは皆さん順番待ちで並んでいますから、ちゃんと並んで待っていてください」

職員は、祥恵の話をろくに聞かずに答えていた。

「あのう、違います。私、人を、うちの家族を探していまして、住民台帳か名簿を見せてもらいたいのです」

祥恵は、その職員に説明した。

「家族?迷子かなんかですか?」

この忙しいのに迷子の相手なんかしていられないみたいな感じで、職員は祥恵に答えた。

「私、ヤマトに乗っていまして。今やっと宇宙から地球に帰ってこれたので、自分の家族に会いたいと思いまして・・」

祥恵は、宇宙戦艦ヤマトの身分証を職員に提示しながら、再度質問した。

「え、ヤマト・・」

職員は、祥恵の提示した宇宙戦艦ヤマトの身分証をジロジロ眺めていたが、

「はっ!ヤマトの乗組員の方でしたか。失礼いたしました!」

祥恵の持っていたヤマトの身分証が本物だとわかると、職員の態度は急に一変して丁寧になった。

「ご家族をお探しなのですか?ご家族は新宿の地下シェルターでお間違いないでしょうか?」

「はい、お間違えないです」

祥恵も、職員の丁寧な言葉遣いが移ってしまって、思わず変な日本語を使ってしまっていた。

「はあ、なるほど。それで新宿地下シェルターの住民台帳が見たいということですね」

職員は、しばらく考え込んでいたが、

「住民台帳なのですが、今ここには御座いません。地上に建設した役所の建物のほうにぜんぶ移動してしまいました。申し訳ありません」

職員は、祥恵に謝った。

「それでは、住民台帳は地上の役所の建物にあるのですか?」

「ええ、ガミラスが攻めてくる前に、新宿の西口にあった都庁を覚えていらしゃいますか?あの都庁のあったところに、元都庁ほど大きくはありませんが、小さな建物ですが復興されまして、そこに全て移動してしまいました」

「それでは、家族を探そうと思ったら、そちらの地上の施設に行ったほうが宜しいでしょうか?」

「そういうことになりますかね」

職員は、祥恵に述べた。

「わかりました。ありがとうございます!」

祥恵は、職員にお礼を言って、その場を立ち去ろうとしていた。

「あの、待って下さい」

職員が、祥恵のことを呼び止めた。

「うちの課長が、これから残りの書類を車に乗せて、地上に上がります。課長の車でお送りいたしますよ。そうすれば、エレベーターの順番待たなくても、地下シェルターの通用口からそのまま直に出て、地上に上がれますから」

「ありがとうございます。でも、ちゃんとエレベーターの順番を待って、地上に上がりますから大丈夫ですよ」

祥恵は、職員の申し出を断って行こうとしていたが、結局職員に阻まれて、課長さんの車に同乗させてもらって、地上に上がることになってしまった。

祥恵は、特別待遇は遠慮したかったのだが、祥恵がヤマト乗組員だと聞いたその職員は、祥恵をこのまま帰したら自分の立場がと、どうしても課長の車に乗せられてしまったのだった。

そして、祥恵は見知らぬ課長の車の助手席に座らせられて、地上の新宿役所のある建物の前まで連れられてきてしまっていた。

「それでは、ありがとうございました」

祥恵は、課長にお礼を言うと、役所の建物の中に入っていった。

役所で住民台帳の閲覧をさせてほしいと訪ねると、膨大な帳簿が棚にぎっしりと詰まった書庫に連れてこられた。ここにある帳簿がすべて新宿地下シェルターに避難していた人々の住民台帳なのだと言われた。

この量は、とてもじゃないが一日で見終わる量ではなかった。それから、祥恵はずっともう1週間以上役所の、この書庫の場所に通い詰めて、自分の家族の名前を探し続けていた。

またヤマト発進!につづく

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