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はじめてのヤマト

「あのね、先生!ブスは、ゆみと一緒にコスモタイガーで来場はぜったいいやです!ゆみのやつには、機関部の連中と一緒に船で来場させて下さい!」

職員室では、お蝶婦人たちの女子グループが担任の先生に交渉していた。卒業式が終わった後のことだった。

「なんで、そんなに、ゆみ君のこと嫌うんだよ。彼女はお勉強できるし良い子だぞ」

「薄汚いし、気味わるいし」

「嫌なものは嫌なんです」

お蝶婦人の女子グループは、先生に抗議していた。

「卒業式の卒業証書授与だって、なんであいつが一番に授与されるんですか?それは、MVPかもしれないけど、彼女は別にヤマトの戦士になるわけでもないじゃないですか」

「ああ」

「まあ、卒業証書はもう終わったから良いですけど、その代わりに宇宙戦艦ヤマトに乗艦する方法ですが、彼女はコスモタイガー隊でもなんでもないのだから、私たちと一緒にコスモタイガー機で乗艦するのやめてほしいです」

お蝶婦人たちは、先生に提案した。

「あ、俺もそれ賛成!あのブスはコスモタイガーでの乗艦は無しにしてほしい」

お蝶婦人たちが先生に交渉している声を聞いて、坂本たちもやって来て、お蝶婦人の提案に賛成していた。

「それじゃ、彼女はどこからどうやってヤマトに乗艦すればいいんだ」

「だから、機関部の連中と一緒に船で乗艦すれば良いじゃないですか」

「そうだよ。あいつ、太助とよく仲良くしているみたいだし、機関部の太助と一緒に乗艦すればいいじゃないですか」

先生は、生徒たちにそう押し切られてしまっていた。

 

午後は、卒業生たちの宇宙戦艦ヤマトへの乗艦式だった。

坂本、お蝶婦人たちコスモタイガー隊は、オーケストラ部の学生が弾く音楽の中、それぞれ自分のコスモタイガー機に搭乗し、大空高くへと舞い上がっていた。これから、学校の上空をオーケストラに合わせてパレードした後、海上に停泊している宇宙戦艦ヤマトが飛び立った後に、そこに搭乗する予定だった。

コスモタイガー隊の機体には、お蝶婦人、坂本、加藤四郎などクラスのコスモタイガー班の姿があった。が、ゆみの姿は、そこには無かった。

ゆみは、太助たち機関部の卒業生たちと一緒に、地上で整列し、オーケストラの奏でる音楽に見送られていた。オーケストラの音楽が終わると、ゆみたち地上に残っている卒業生たちは、港の岸壁に停泊しているボートに乗って、海上の宇宙戦艦ヤマトに乗艦するのだった。

「ね、見て。なんか昔の古代君みたいな子たちがいっぱいいるよ」

ヤマトの甲板から陸上の乗艦式を眺めていた森雪が、横にいる古代進と島大介に言った。

「え、俺たちみたいか?」

「うん。初々しくて・・」

森雪に言われて、古代進は少し照れていた。

「そういえば、祥ちゃんはどうしたの?今回のテストセーリングは不参加か?」

島大介が、森雪に聞いた。

「ううん。ちゃんと参加するって」

「でも、まだヤマトに来てないだろう」

「さっき、電話があった。ぎりぎりまで役所の書庫で、自分の家族の居所を調べたいから、ヤマトに乗船できるのぎりぎりになるってさ。でも、必ず出発までには、ヤマトに来ますって」

森雪が、2人に言った。

「でも、もう出航するぜ」

「いまパレードしてるし、まだ30分ぐらいは、出航までに時間あるでしょう」

森雪が言った。

「さっき、電話あったときは、電車に乗ってこっちに向かっているところだって言っていたから、もうまもなく到着するでしょう」

「まあ、祥ちゃんは遅刻とかしたことないものな。ちゃんと到着するだろう」

「うん。彼女、しっかりしているもの」

「遅れそうなら、タクシーにでも乗って来るだろう。祥ちゃんは、これからヤマトにやって来る新人たちとは違うベテランだものな」

「そうよ・・って、え」

森雪は、機関部の卒業生たちが乗っているボートが、こちらにやって来る途中でひっくり返って、乗っていた乗員たちが皆、海に投げ出されてしまっているのを見て驚いていた。

「何をやっているんだ、あいつらは」

古代進も、島大介もボートがひっくり返る姿を見て呆れながら、新人たちのお出迎えのため、甲板を降りてヤマトのゲートに向かった。

ぬれネズミにつづく

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