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ママとお昼ごはん

「お姉ちゃん、行っちゃった」

ゆみは、お母さんに言った。

「ゆみは、お母さんと一緒に帰りましょう」

お母さんは、ゆみと手をつないでくれながら言った。

「斉藤さん、もし良かったら、車で来ているので駅まで送りましょうか」

お母さんは、ジョー君のお母さんのことを誘って、学校から吉祥寺駅までは、ゆみとお母さん、それにジョー君のお母さんも一緒に、お母さんの運転する車で移動した。

「それでは、ありがとうございます」

「いいえ、こちらこそ」

ジョー君のお母さんが吉祥寺駅で車を降りると、ゆみは助手席に席を移動して、お母さんは家に向かって車を出した。

「どっか途中でごはんを食べていこうか?」

お母さんは、ゆみに言って、途中にあったファミレスの駐車場に車を入れた。

「お母さんと2人だけで、ごはん食べてもいいの?」

ゆみは、お姉ちゃんも、お父さんもいないのに、自分だけお外で食べてもいいのか心配で、お母さんに聞いた。

「大丈夫よ、お姉ちゃんは、お友だちとごはん食べているんだから」

「お父さんは?」

「お父さんだって、病院で、なにかお昼ごはん食べているわよ」

お母さんは、心配そうなゆみの顔を、笑いながら言った。

「なにを食べたい?」

「ゆみ、全部ひとりでは食べきれない」

「じゃあ、お母さんと半分っこにしようか」

ゆみは、お母さんに頷いた。

「そうね、ハンバーグにしようか?お野菜とか、ゆみの好きなポテトも付いているし」

「うん」

ゆみが頷くと、お母さんは店員さんを呼んで注文した。

「入学式はどうだった?」

店員さんが厨房に戻っていき、注文した料理が出てくるまでの間に、お母さんは、ゆみに訪ねた。

「クラスの皆、大きかった」

ゆみが答えた。

「それは仕方ないわよ、皆、お姉ちゃんと同い年で、ゆみよりも5歳も年上なんだから」

「クラスの人たち皆、ほとんどが小等部の6年生からずっと一緒だったから、知っている人ばっかでもう仲良しなんだよね。ゆみは、ぜんぜん知らない人ばっかだった」

「それは仕方ないわよ。ゆみは、前は3年生だったんだから」

お母さんは、ゆみの頭をなでてくれた。

「でも、担任の先生だって言ってたでしょう。クラスの半分は、よその小学校から明星学園に入学してきた人だって。その人たちだって、ゆみと同じで、ほかの人たちとは、きょう初めてで、まだ誰も知り合いがいないんだから」

「お友だちできるかな?」

「大丈夫よ、ゆみにも、きっとすぐお友だちできるから」

「お姉ちゃんも6年生だったから、お友だちいっぱいいたの?」

ゆみは、お母さんに聞いた。

「そうでしょうね」

お母さんは、答えた。

「さっき、お姉ちゃんが一緒にごはん食べに行ったお友だちってなんていうの?」

ゆみは、お母さんに質問した。

「さあ?お母さんは、あのお姉ちゃんのお友だちがなんて名前なのか知らない」

お母さんは、ゆみに答えた。ゆみは、しばらくポカンとお母さんのことを見ていたが、

「お母さん、お姉ちゃんのお友だちのことぜんぜん知らないの?」

「そうね、お姉ちゃんの学校でのお友だちのことは、あまり知らないわね」

「どうして?」

ゆみは、お母さんに聞いた。

「お母さん、ゆみのお友だちのことは知っているよね。真子ちゃんのこととか」

ゆみは、自分が小等部だった頃に仲の良かった学校のお友だちのことを、お母さんに聞いた。

「そうね、ゆみは、いつも学校であったことを全部、お母さんにお話をしてくれるものね」

お母さんは、答えた。

「お姉ちゃんは、学校であったことを、ほとんどお母さんに教えてくれないからね」

「そうなの?」

お母さんは、ゆみに頷いた。

「今度から、ゆみは、お姉ちゃんと同じクラスだから、ゆみのお友だちとお姉ちゃんのお友だちって同じになるよね?そしたら、ゆみがお母さんに学校のお友だちとあった事をぜーんぶ教えてあげるね」

ゆみは、なんとなくお姉ちゃんが学校のお話をぜんぜんしないことを、お母さんが寂しがっているような気がして、言った。

パパはご機嫌ななめにつづく

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