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マイカー通学

ゆみは、学校へ出かけるために部屋で着替えていた。

「ゆみちゃん、いる?」

お母さんは、ノックも無しに部屋のドアを開けると、お部屋で着替えているゆみのところに入ってきた。

「ゆみちゃん、やっぱり、入学式にそれを着ていくの?」

いつものデニムのパンツを履こうとしているゆみに、お母さんは聞いた。ゆみが頷くと、お母さんは、タンスから先週買ってくれたばかりの赤いリボンワンピースを取り出して眺めた。

「これ、きっとゆみちゃんが着たら可愛くて似合うと思うんだけどな」

お母さんに言われたけど、ゆみは首を横に大きく振ってみせた。

「スカートは履かない」

ゆみがきっぱり答えると、

「スカートが嫌だったら、こっちのパンツだったらどう?」

お母さんは、タンスからポケットと裾の部分に赤いチェック柄が付いた紺色のパンツを出すと、ゆみに差し出した。ゆみは、履こうとしていたデニムのパンツを脱ぐと、お母さんに差し出されたパンツを受け取って、それに着替えた。

「ゆみは、本当にスカートが嫌いよね」

お母さんは、着替えているゆみの姿を見ながら口にした。

お姉ちゃんの祥恵は、生まれつき身体が丈夫でスポーツ万能、髪も常にショートで活発な女の子だった。小さい頃は、ジーンズやパンツでいつも男の子とばかり遊んでいるような女の子だったが、母に誘われてデパートとかどこかにお出かけするときには、自分からちゃんとスカートに着替えてお出かけしていた。

生まれつき身体も弱く、家で静かに過ごしていることの方が多かったゆみは、お母さんに言われるままに髪を胸の辺りまで伸ばし、ロングにしてお母さんの買ってきてくれる可愛い髪飾りを付け、レースやフリル、花柄の付いた女の子らしいブラウスなど洋服を着させられていた。そんなゆみだったが、どんなにお母さんが買ってきてもスカートだけは頑として履かなかった。お母さんは、ゆみに似合いそうな可愛いスカートやワンピースを何回か買ってきたことがあるのだが、ゆみは、そのスカートを1度たりとも履いたことがなかった。そのため、ゆみのために買ってきたスカートは皆、持ち主が1度も履くことなく、そのまま近所の子のところにお下がりになっていた。

もちろんお姉ちゃんが履いていたスカート、お姉ちゃんには小さくなってしまったスカートで、お母さん的には、ゆみに履かせたいなと思っているスカートでも、ゆみが足を通すことはまったくなく、近所の子のところにお下がりになっていた。

「さあ、学校に出かけましょうか」

ゆみが、お母さんに手渡された紺色のパンツを履き終えると、お母さんはゆみに声をかけた。ゆみは、お母さんに頷くと、お母さんと一緒に部屋を出て、2階の階段を1階へと降りていった。

「お姉ちゃんは?」

「お姉ちゃんは、もう先に学校へ行ってしまったわよ」

「え、じゃあ、ゆみはどうやって学校に行ったらいいの?」

「お母さんと一緒に、お母さんの車で行きましょう」

お母さんに言われて、大好きなお母さんと一緒にお母さんの車で学校へ行けるのが嬉しいゆみは、思わず顔から笑顔をいっぱいこぼれ落としてしまっていた。

大好きなお母さんにつづく

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