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コスモタイガー実習

「おまえ、本当にどんくさいな」

徳川太助は、コスモタイガー実習担当の先生に言われていた。

その日は、コスモタイガー実習の授業だった。

「大丈夫か?事故られたら、コスモタイガー一機って修理代も結構かかるんだぞ。どうせ、お前は機関の整備士希望なんだから、そんなスピード出さないでいいから、ゆっくり発進させろよ」

先生は、太助に指導していた。

「はい、大丈夫です」

太助は、自分の番が来て、コスモタイガーに乗り込もうとしていた。

「アクセルがこれで、こっちがシフトチェンジで・・」

「うむ、さすが。機関士希望だけあって、機械の位置とかは完璧にマスターしているな」

先生は、発進前の機関チェックしている太助に言った。

「これで、もうちょい運動が抜群だったら、パイロットとしても完璧なんだけどな」

「先生、俺が太助の代わりに出航しましょうか」

坂本が、先生に言った。

「坂本、お前はさっき、お蝶夫人の代わりに飛んで来たばかりだろう。誰かの代理で、代わりに飛べるのは、1人1回までだ」

先生は、坂本に言った。坂本は、太助が飛ぶ前に、生理で体調が悪いというお蝶夫人に代わって、コスモタイガーの実習訓練に参加したばかりだった。授業の一番最初に、既に自分の分の実習訓練としてコスモタイガーに搭乗しているので、もし太助の代わりでさらに搭乗したら、一回の授業で三回コスモタイガーに登場したことになってしまう。

「大丈夫ですよ。俺、飛べますから」

そう言って、コスモタイガーのエンジンをかけた太助の表情は不安でいっぱいそうになっていた。

「うーん・・」

ゆみは、太助が握ろうとしていたコクピットの操縦桿から手を離させた。

「え、なに?」

太助は、ゆみの方を見て聞いた。

「あたし、乗る」

ゆみは、太助のことをコクピットから降ろすと、自分がコスモタイガーに乗り込もうとした。

「え、お前が乗るのか?」

それを見た先生は、ゆみの方を見た。ゆみは、長い髪を胸まで下ろしている。ゆみの前髪は目の下あたりまで下ろされているので、ゆみの両目は前髪に隠れてよく見えなかった。

「ブス。相変わらず不気味な姿だな」

坂本たちは、ゆみの様子を見て笑った。先生は、何か言おうとしたが、その不気味な姿に何も言えずにいた。その間に、ゆみは黙って、コスモタイガーのエンジンをスタートし、操縦桿に手を添えると、アクセルを吹かした。コスモタイガーは、学校の上空へと発信していた。

ゆみにとって、コスモタイガーを発進、操縦するなんて生まれて初めてのことだった。しかし、コスモタイガーの操縦方法については、学科の授業の時に予め習っていたので、その通りに操縦しているだけだった。

「あいつ、意外に上手いじゃないか」

上空を飛んでいるコスモタイガー機を眺めながら、先生はつぶやいた。

「そうでうか。かなり荒っぽい操縦ですよ」

横に立って、上空を眺めていた坂本が、先生に言った。

「確かに荒っぽくみえるかもしれないが、あいつがコスモタイガーを飛ばすのは初めてなんだろう。初めてであの操縦ならば、磨けばかなりの腕に成長する可能性はあるぞ」

先生は、坂本に言った。

「そうですかね」

坂本は、コスモタイガーの操縦ならば、クラスで自分が一番だと自負しているので、ゆみの操縦を先生が褒めているのが気に入らないようだった。

「ゆみちゃん、上手いっすよ」

太助も上空を飛ぶコスモタイガー機を眺めながら、言った。

「まあな、お前のちまちました飛び方よりはマシかもな」

太助の横に来て、坂本が言った。

「しかし、不気味っすね。コクピットに見える彼女の姿。まるで貞子がコスモタイガーを操縦しているみたいですよ」

「違いねえ」

坂本たちは、ゆみの操縦している姿を見ながら、笑っていた。

 

クラス対抗戦につづく

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