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ヤマトに乗る日
ヤマトに乗って異星人との戦いに勝利し、地球に還ってきた祥恵と異星人の攻撃から避難するため、地下に潜ってヤマトの帰りを待っていた妹ゆみ。果たして2人は、無事に再会することができるのか。
ヤマトに乗る日
閣僚会議
「地上の復興の進捗状況はどうかね?」 地球政府の大統領は、閣僚会議の席で、ほかの大臣たちに訪ねた。 「順調です。予定通りに建物も道路も復興しています。ただ・・」 「アジア地区も、一応は道路の建設が終わり、今は高層ビルの建 […]
ヤマトに乗る日
穢多と非人
「あのぅ、ちょっと宜しいですかね?」 地球政府の大統領に指名されたオセアニア地区担当の大臣は、閣僚会議の席で発言した。 「これは、私オセアニア地区担当が発言することではないかもしれないのですが」 オセアニア地区担当大臣は […]
ヤマトに乗る日
D地区の居住者たち
「ゆみちゃん、早く起きなさい」 「・・・」 ゆみは、お母さんたち家族とお父さんの車の中で寝ていた。少年盗賊団のメンバーだったあゆみと他に2人の女の子も一緒にトランクスペースを平らにして、そこに布団を敷いて寝ていた。今朝は […]
ヤマトに乗る日
健康診断
「ゆみちゃん、順番だよ」 あゆみが、奥へのドアのすぐ前に立っているゆみに言った。 「えっ」 ゆみは、お母さんの方をチラッと見てから、あゆみに答えた。 「あゆみちゃんたち、先に健康診断を受けていいわよ。ゆみは、おばさんと一 […]
ヤマトに乗る日
悪夢のはじまり
女医は、ゆみに向かってそう言うと、何かものすごく熱のある熱いものを、ゆみのお尻、右側のお尻に押しつけられた。 「ぎゃあああああああああああああ!」 ゆみは、その熱さと痛みに叫び声をあげると、そのまま気絶してしまった。 「 […]
ヤマトに乗る日
大型観光バス
お母さんは、気絶したゆみを抱き、大きな荷物を両手にぶら下げながら、診察室から表に出た。そこは、ちょうどマーケットの建物の裏側の商品搬入搬出をするトラックの車寄せがある場所だった。 その普段ならばトラックの停まっている、ト […]
ヤマトに乗る日
貧民誕生
医者たちが、役所の人たちに連れられて奥の建物に行ってしまうと、医者を連れて行った役所の人とは別の役所の人が、たくましそうな体つきをした男性2人と歩いてきた。 たくましそうな体つきの男性は、バスの運転手なのだろう。ゆみたち […]
ヤマトに乗る日
貧民街
地上に上がっている道中のバスの中は静かだった。 バスの中にいる誰もが、役所の人間に「貧民ビデオ」を見せられた後から何も言わずに黙ったままの状態だった。 「なんて勝手な。俺たちは貧民なんかじゃない」 バスの中にいる誰もが、 […]
ヤマトに乗る日
貧民街の生活
「うっ・・」 お母さんに抱かれていたゆみが、目を覚ました。 「ゆみちゃん、起きたの?」 「うん」 ゆみは、お母さんに返事した。 「ゆみちゃん。あなたの言うとおりだったわね。健康診断なんかじゃなかったのね」 お母さんは、目 […]
ヤマトに乗る日
ゆみの決断
「これ、食べるの?」 ゆみは、お父さんの拾ってきた食料を見て、言った。ゆみたちのコンテナの中には、ゴミ捨て場から拾ってきた古いテーブルが中央に置かれていた。そのテーブルの上に、朝お父さんが拾ってきたダンプカーから落ちた配 […]
ヤマトに乗る日
ゆみの単独行動
「こいつ、貧民だぜ」 貧民街にやってきた人間が、貧民街にいる貧民のことを指差し、蹴っ飛ばしたりしてあざ笑っていた。 貧民は、貧民街から外のエリアに行ってはいけないと言われていた。しかし、貧民街の外に暮らしている人間は、外 […]
ヤマトに乗る日
少年盗賊団再結成
「なんか、ここ薄ら寒いな」 竜は、ゆみに連れてこられた下水道の中で、涼しさに自分の腕をさすりながら言った。 「寒い?寒かったら、そっちのさ、通路に出れば暖かいから。暖かいというよりも、めちゃ熱いから」 ゆみは、そのコンク […]
ヤマトに乗る日
貧民街の小さな改革
「おい、誰もいないぞ」 竜は、下水道の中から地上に出て、辺りを見渡してから、下水道の中の皆に言った。 「行くわよ」 ゆみの合図とともに、少年盗賊団の子どもたちが次々と下水の中から地上に出た。 「うわ、地上だ。しかも貧民街 […]
ヤマトに乗る日
妹探し
「ああ、疲れた・・」 祥恵は、膨大な量の名簿をめくりながら、自分の肩を叩いて一休みしていた。 祥恵は、宇宙戦艦ヤマトで地上の放射能をすべて除去し終わると、新宿の地下シェルターに、自分の家族を迎えに行った。 地上から地下シ […]
ヤマトに乗る日
またヤマト発進!
「あ、お父さんの名前!!」 祥恵は、膨大な帳簿の数の中にあった一冊に記載されている父の名前を発見した。 「お母さんの名前も、ゆみの名前もあるじゃない!」 祥恵は、懐かしい名前を帳簿の中に見つけて興奮していた。 「え、うそ […]
ヤマトに乗る日
謎の動物病院
「ここって何なのだろう?」 ゆみは、ある建物の前で首を傾げていた。 ゆみたちの閉じ込められている貧民街というのは、街の周りを全て高い塀と金網で囲まれていた。貧民街の入り口に当たるゲートのところにだけ、出入り口として金網も […]
ヤマトに乗る日
動物の先生
「おいしい?ゆっくり食べていいんだからね」 ゆみは、つぶれた動物病院の動物たちに、その日も食事を与えに来ていた。あれから、もう1ヶ月ぐらい毎日、ゆみは、つぶれた動物病院に取り残されている動物たちに食事を与えに来ていた。 […]
ヤマトに乗る日
ヤマトの先生
「あんたが、ヤマトのお医者さん?」 ゆみは、佐渡酒造という男の言葉を聞いて、自分の耳を疑った。 ヤマトといえば、ガミラスの宇宙船に放射能だらけにされてしまった地球をまた元通りにきれいにしてくれた宇宙戦艦のはずだ。 「本当 […]
ヤマトに乗る日
お母さんの恩師
「ねえ、お母さん。お母さんは、人間と動物の両方を診察できるお医者さんがいるなんて知っている?」 ゆみは、コンテナの家の中で、お母さんに質問した。 「知らないわ。でも、もしかしたら、そんなお医者さんもいるのかもしれないわね […]
ヤマトに乗る日
ゆみのアルバイト
「ゆみは、佐渡先生の、ここの動物病院でアルバイトしたいの」 ゆみは、佐渡先生にお願いした。 「アルバイトって、ゆみ君はお仕事がしたいのか?」 「うん。動物が大好きだから」 ゆみは、佐渡先生に答えた。 「ここで働いて、もっ […]
ヤマトに乗る日
宇宙戦士訓練学校生
「ゆみ君、OKじゃぞ!明日から君は宇宙戦士訓練学校生じゃ」 佐渡先生は、ゆみに伝えた。 「それでじゃな、わしの知り合いにも、ゆみ君が貧民だということは内緒にしてある。だから、左腕に付けられてしまったアザ、それは学校では誰 […]
ヤマトに乗る日
ふたたび家族探し
「ああ、久しぶりに、この分厚い帳簿を見続けていると、目が痛くなるな」 祥恵は、省庁の書庫で住民台帳を調べている手を休めてつぶやいた。 「ずいぶん、長いこと中断しちゃったな」 祥恵は、思っていた。 ヤマトに乗って、イスカン […]
ヤマトに乗る日
波乱万丈な学園生活
今日から宇宙戦士訓練学校の初日だった。 ゆみは、朝早くから少しワクワクしていた。なにしろ久しぶりの学校だった。ガミラスが地球に遊星爆弾を落としてきて、その落ちてくる遊星爆弾を、ゆみは学校の教室の窓から発見した。そのとき以 […]
ヤマトに乗る日
いじめっ子
「おまえ、本当にどんくさいな」 徳川太助は、坂本たちのグループに言われていた。 その日の体育の授業はサッカーだった。坂本たちと同じチームになった徳川太助は、皆の足手まといにならないようにと、必死でボールを追っかけていたの […]
ヤマトに乗る日
コスモタイガー実習
「おまえ、本当にどんくさいな」 徳川太助は、コスモタイガー実習担当の先生に言われていた。 その日は、コスモタイガー実習の授業だった。 「大丈夫か?事故られたら、コスモタイガー一機って修理代も結構かかるんだぞ。どうせ、お前 […]
ヤマトに乗る日
クラス対抗戦
「ゆみさん、絶対勝てますから、頑張ってください」 太助は、ゆみのコスモタイガー機に給油をしながら言った。 「ありがとう」 「いえいえ、ゆみさんの腕ならば、明日のコスモタイガーのクラス対抗戦は、ぶっちぎりで一番ですよ」 そ […]
ヤマトに乗る日
卒業戦
「ゆみさん、きっと勝ちますよ」 太助が、ゆみにそう言ったのはクラスの教室で、担任の先生がコスモタイガー実習の卒業試験について述べた後のことだった。 「ちょっと、皆、静かにしてくれ」 担任の先生は、教室に入ってくると、雑談 […]
ヤマトに乗る日
最優秀パイロット
「ゆみさん、大丈夫。いつものように飛べば、間違いなく一番で帰って来れますって」 太助は、自分が整備したコスモタイガー機に、ゆみが搭乗するのを手伝いながら言った。 「じゃあ、頑張って!」 太助は、コスモタイガーを発進させる […]
ヤマトに乗る日
英雄の丘
「ゆみさん、卒業試験は最高でしたね!ズルまでして勝とうとしたのに、勝てなかった坂本の顔、愉快でしたよ」 太助は、ゆみを自分のバイクの後ろに乗せて、バイクを走らせながら嬉しそうだった。 「ゆみさんは、嬉しくないのですか?優 […]
ヤマトに乗る日
太助のおじいちゃん
「え、なにあれ?」 ゆみは、英雄の丘公園の丘の上に建っている銅像を見て、驚いてしまった。 公園の大きさからは考えられないような、とてつもない大きさの銅像が、公園の前の海、港を見下ろすような感じで建てられていたのだった。 […]