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祥恵のバスケ部

ゆみは、お母さんと車で吉祥寺にお買い物に行った。

吉祥寺までお買い物にやって来て、お母さんが買った物はというと、お父さんの明日からの仕事で着るドクター用の上着とお姉ちゃんの部活用の運動着、それにお姉ちゃん、祥恵とゆみの学校に着ていく洋服だった。ほかは、家で使うインテリア用品と消耗品ぐらいだった。

ゆみは、せっかく吉祥寺まで来たのに、お母さんはあたしたち家族のものばかり買って、ぜんぜん自分のものは買わないんだなと思っていた。

「ゆみ。どこかでお昼ごはんにしましょう」

お買い物が終わると、デパートの上階にあるレストランに連れていってくれて、そこでお昼ごはんを食べさせてくれた。お母さんに感謝だった。

「さあ、帰りましょうか」

「うん、疲れちゃった」

身体の弱いゆみは、吉祥寺の街中をあっちこっち歩いたので疲れてしまっていた。

「大丈夫?早くおうちに帰って寝ようか?」

「ううん。そこまでじゃない」

ゆみは、お母さんに大げさに心配されてしまって笑顔で答えた。それから、デパートに停めておいたお母さんの車で家路についた。

「あれ?」

ゆみは、帰り道ずっと窓から外の景色を見ていて、行きとは全然違う道を通って帰るんだなって思っていた。

「ほら、ちょっと寄っていこうか」

窓から外を眺めているうちに、うとうと眠くなってきていたゆみは、お母さんに声をかけられて慌てて目を覚ました。

「あれ、ここって」

ゆみは、車が停まっている場所が、学校の正門前の駐車場だということに気づいた。

「え、なんで?学校?」

ゆみは、お母さんに質問した。

「ほら、ちょっとお姉ちゃんの部活を見ていこうか」

お母さんは、車を降りながら、ゆみに言った。ゆみも慌てて車を降りて、お母さんについていく。お母さんは、学校の体育館の中に入っていった。

「いいの?勝手に入っても?」

「それは大丈夫でしょう。だって、ゆみは、この学校の生徒でしょう」

「うん」

ゆみは、お母さんについて体育館の中に入って覗いた。生徒たちが大声をあげてバスケットボールをやっていた。

「お姉ちゃんいた?」

「うん。あそこ!」

ゆみは、バスケットボールをやっている選手の中で一番大声をあげてリーダーシップを取っている祥恵の姿を見つけて指さした。

「あら、すごい!お姉ちゃんはキャプテンなのかしら」

お母さんは、バスケットボールの試合の中で一番活躍している祥恵の姿に感心していた。祥恵は、身体の弱いゆみと違い、スポーツは万能だった。

「美和さんいるじゃない」

奥のベンチのところに腰掛けている美和の姿を見つけて、お母さんが言った。美和の横には、ほかにも7年生の新入部員たちが控えで試合の応援をしていた。新入部員の7年生の中で、レギュラーとして試合に出場しているのは祥恵だけだった。

「ゆり子さんいないわね」

お母さんは、ゆみに言った。

「ゆり子お姉ちゃんはいるわけないよ。だって、バスケットボール部じゃないもの」

「あら、そうなの。美和さんとゆり子さんは、いつも祥恵と仲良く一緒にいるから同じ部なのかと思った」

「うん、違うんだよ」

ゆみは、お母さんに説明した。

「あ、祥ちゃんのお母さん」

美和が、ゆみたちの姿に気づいて、側に寄ってきてくれた。

「ちょっと吉祥寺に買い物に来ていたんで、帰りに寄ってみただけなのよ」

「どうぞどうぞ、祥ちゃんすごいんですよ。7年では試合に出ているの祥ちゃんだけなんです」

美和は、お母さんに説明していた。

「ゆみちゃんも、お姉ちゃんの試合見ていてね」

「はい」

「さっき、私、祥ちゃんのお母さんとかって呼んじゃったけど、ゆみちゃんのお母さんでもあるんだよね」

「うん!」

ゆみは、美和に言われて嬉しそうにお母さんの腕を掴むと、お母さんに甘えていた。

「あ、それ、ゆり子のブタさんだ」

美和は、ゆみの背中にぶら下がっているブータ先生の姿に気づいて言った。

「あ、そうなの」

ゆみは、ブータ先生を持ち上げて、自分の膝の上に乗せながら答えた。

それから、しばらく2人は美和と一緒に祥恵のバスケットボールの試合を眺めていたが、

「私たち、そろそろ帰りますね」

お母さんは、美和に言うと体育館を出て、表に停めている車に戻り、家路についた。

「お姉ちゃん、大活躍だったじゃない」

「うん」

ゆみは、お母さんに答えたものの正直バスケットボールのルールをあまりよく知らないので、試合の観戦に少しあきていたところだった。

なんとなく、天井の方にくっついているバスケットの中にボールを入れれば良いんだろうなってことはわかったが、祥恵が常にバスケットの中にボールを投げているわけでなく、他の人たちにパスをしたりしていることの方が多かったので、それもあきてきた要因の一つだった。

家庭科につづく

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