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バスケ部のお姉ちゃん

祥恵は、もうすっかり元気になっていた。

ここ、地下シェルターの病院の中にリハビリ用に用意されている体育館でバスケットボールをやっていた。

「もう、すっかり元気になったわね」

バスケットボールをしていた祥恵に声をかけたのは、看護師の森雪だった。

「ええ、おかげさまで、もうすっかり良くなりました!」

祥恵は、自分の手足を大きくぐるぐる回転させて見せながら、森雪に返事した。

「ほんとう、すごい回復力よ、あなたは。普通だったら、怪我が治るまでにもう少し時間かかっているわよ・・」

森雪は、祥恵に言った。

「おかげさまで、私は生まれつき体力だけは丈夫に産んでもらえたので」

祥恵は、笑顔で森雪に答えた。

「その分、妹が産まれるときに、妹の身体が病弱に生まれさせちゃったみたいなんですけど」

祥恵が言った。

「そうなんだ、妹さんが」

森雪は、祥恵の話に頷いた後で、

「それで、その妹さんを含めた家族の皆さんの居所はわかったの?」

と、祥恵に聞いた。

「それが、役場には行ったんですけど、そこにあったリストの中には、うちの家族の名前はだれ1人として見つからなくて・・」

祥恵は、役場に行ったときのことを、森雪に報告した。

「そうなんだ」

「でも、それで本局の方のリストに載っているかもしれないってことで、今、役場の担当の方に本局のリストを取り寄せてもらって調べてもらっているところなんです」

祥恵は、答えた。

「そうか、見つかるといいわね」

森雪は、祥恵に言った。

「来週までには見つかるかしら?」

「来週?なんで来週・・」

祥恵は、森雪の言う来週が気になり、不思議に思ったので聞いてみた。

「ああ、深い意味はないんだけどね。来週になったら、私、ここから異動でいなくなちゃうのよ。それで、いなくなる前に祥ちゃんの家族が見つかったって報告聞けるといいな、ってそう思っただけなの」

森雪は、祥恵に答えた。

「いなくなちゃうって。どこか違う病院に転勤になるのですか?」

「ああ、ヤマトに乗るのよ」

「ヤマト?」

祥恵は、森雪に聞いた。

「ヤマトのこと知らないの?」

「ぜんぜん知りません」

祥恵が言うと、森雪はヤマトのことを話してくれた。

「ほら、ガミラスって宇宙人に攻められて、地球の地上は大変なことになちゃってるででしょう」

「ええ、放射能だらけに・・」

「そうそう、そうなの。それで、地上の放射能なんだけど、あと1年以内になんとか除去しないと、地球はもう放射能に汚染されて、生き物が何も住めない星になちゃうのよ」

「へえ、そうなんですか。1年なんだ」

「そしたらね、それを聞いたガミラスとは別の宇宙人で、イスカンダルって宇宙人がね。自分の星には、放射能を除去する装置があるからって、その装置を取りに来なさいって、高速宇宙船の設計図とともにメッセージを送ってきてくれたのよ」

「へえ、放射能だらけにしちゃう悪い宇宙人もいるけど、それを助けてくれる良い宇宙人もいるのね」

「本当そうね」

祥恵が意見を言うと、森雪もその意見に同意してくれて、2人は笑った。

「でね、昔に第二次世界大戦って戦争があったでしょう。そのときに海に沈められた戦艦大和、その戦艦の船体が見つかって、イスカンダルからもらったエンジンの設計図を取り付けるのにぴったしな船ってことになったらしいんだ。それで戦艦大和は、宇宙戦艦ヤマトとして蘇ったんだけど。そのヤマトに乗って、一緒に戦いに行ってくれる若者の手が足りないんだってさ」

森雪は、祥恵に説明した。

「それで、負傷した戦士の手当てをする看護師も足りないからってことで、私もヤマトに乗っていくのを志願したんだ。そのヤマトの出航の日が来週なのよ」

「へえ、雪さんすごい!地球の皆のために、ヤマトに乗って宇宙の果てにあるイスカンダルの星まで放射能除去装置を取りにいくなんて」

「別にすごくはないよ。誰かが行って装置を取ってこないと、私だって地球上で生きていけなくなちゃうから、仕方なく行くだけのことよ」

「それでもすごいよ!行ったこともない宇宙の果てのほうまで行くなんて」

祥恵は、森雪のことを褒めた。

「私も、家族のことが見つかっていたら、地球のためにヤマトに乗っていくんだけど」

「そうか。祥ちゃんならば、運動神経も抜群だし、私みたいにただの看護師なんかでなく、きっと堂々とヤマトの戦士として活躍できるよ」

「そんなことないですよ」

「ううん。本当にヤマトの戦士として乗っていってくれる人が少なくて困っているみたいだから、祥ちゃんが乗るって言ったら大歓迎されると思うよ」

森雪は、冗談ともいえないような本気モードで言った。

旅立ちにつづく

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