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放射能除去

「放射能の除去か・・」

祥恵は、地球上空を自分のコスモゼロ機で飛びながら、一人言をつぶやいた。

祥恵は、ヤマトが地球に戻ってきたら、すぐに解放されて地下シェルターの家族のもとに走っていけると思っていたのだった。

「まあ、でも仕方ないか」

祥恵は、コスモゼロ機から地上に向かってコスモクリーナーの放射能除去光線を散布していた。

ヤマト研究者の真田さんが、イスカンダルからもらったコスモクリーナーの設計図を解析して、ミニコスモクリーナーを開発していたのだ。開発されたミニコスモクリーナーは、祥恵のコスモゼロ機をはじめ、ヤマトの全ての艦載機に搭載された。ヤマト一隻で地球上全ての放射能を除去するとなると、一隻で地球上のいたるところを世界一周し、コスモクリーナーを散布して回らなければならない。時間が掛かってしまうので、ほかの艦載機にも、コスモクリーナーを搭載して、それぞれで分担して、放射能を除去して回ろうというのだ。

「アジア地区、散布完了」

祥恵は、アジア地区へのコスモクリーナー散布を終えて、次の担当箇所に移動していた。

ヤマトの先端に付いている大きな波動砲で散布すれば、一気に広いエリアの放射能を除去できるのだが、コスモゼロ機だと小さいので、いっぺんに散布できるエリアも限られている。コスモクリーナーの除去成分を積める量も限られているので、全ての成分を散布し終わると、いったんヤマトの格納庫に戻って、除去成分を補給しなければならない。

「お疲れさま」

祥恵が格納庫に戻ってくると、ちょうど入れ替わりで、加藤三郎が補給を終えて、またコスモクリーナーの散布に出かけるところだった。

「お疲れ。アジア地区の散布はもう終わったんだ?」

「ええ。次はロシア地区に散布に行ってきます」

祥恵が、格納庫に戻ってくると、格納庫で補給担当の前田さんに声をかけられた。

「祥ちゃんは仕事が早いから、できるだけ満タンに除去成分を積んでおくね」

「はい、お願いします」

祥恵は、自分のコスモゼロ機に補給してくれている前田さんに返事した。

全ての地球上の放射能を除去し終わるまでに、皆で分散し、協力して散布していたとはいえ、なんと2、3週間ぐらい掛かってしまった。

「南極地区のA点にまだ若干放射能が残っています」

地上の放射能を測定している相原が言った。

「このぐらいなら良いんじゃないのか?」

「ガミラスに汚染される前も、若干の放射能ならば地上にあったんだし」

加藤三郎とかコスモタイガー要員がぶつぶつ言っていたが、完璧主義の相原にとっては、若干でも放射能が残っている地域があることが許せないようだった。

「南極のA点でしょう。私、行ってくるよ」

祥恵が相原に言って、自分のコスモゼロ機に飛び乗ると、南極まで移動してコスモクリーナを発射、放射能を除去してきた。

「祥ちゃん、お疲れさまです。これで地上の放射能汚染はすべて完璧に除去完了です」

祥恵が除去した地域の放射能を測定し終わった相原が、無線でコスモゼロ機の祥恵に伝えた。

「OKですか?それじゃ、私もヤマトに帰還します」

祥恵は、相原に無線で伝えると、コスモゼロ機を反転させて、ヤマトに向かって戻っていった。

 

「おいおい、もう緑が咲き始めているぞ」

放射能がきれいに無くなった地上にヤマトを着陸させると、ヤマトの乗組員たちは皆、ヤマトの船体の中から地上に降り立った。放射能が除去されてきれいになった地上に、誰よりも一番早く降りたのは、ヤマト乗組員ということになった。

彼らは、遠くイスカンダルの星まで行き、ガミラスとの戦いにも勝ってきたので、一番最初に地上に降りられる権利ぐらいもらったってバチは当たらないだろう。

「花も咲いている!」

地上に降りた祥恵と森雪は、初めのほうに放射能除去作業した大地に、もう既に草花が咲いているのを確認して感動していた。

よく見ると、向こうの丘の上の方にも、草木が生えて森が誕生していた。

「自然は復興してきているけど、人間たちの住む建物や道路とかは、まだ何もないね」

祥恵は、大地の周りを見渡して言った。

「それは、これからね」

「皆で、1個ずつ建物とか道路を、この何も無くなってしまった大地に作っていかなければ・・」

「大変そう」

祥恵は、何もない広い大地を見渡しながら、つぶやいた。

復興作業につづく

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